2015年08月26日

『ウォールフラワー』



『ウォールフラワー』、壁の花の意味です。
主人公は高校入学と同時に苦行の始まりとばかりに卒業までのカウントダウンを始める男の子。
一人称で誰かに語りかけるようなナレーションは1年前に自殺した親友に語りかけているのでしょうか?
彼には子供の頃大好きな叔母を失ってから重大なトラウマがありますが、核心は本人にも判らないでいます。
スクール・カースト最下層の自覚のある彼は『壁の花』としてひっそりと目立たずやり過ごすつもりでしたが、一年生の授業に乱入して先生の物まねをする上級生に興味をもちます。
それが彼の学生生活と人生を変えるきっかけとなります。
上級生の彼女と思っていたのが実は義理の妹で好意をよせますが、彼女はしょうもない男と付き合うクセがあります。
それにだって悲しい原因があります。
上級生にも秘密があります。
それら心に痛みを持つ3人の出会いで化学変化を起こしたように変わってゆきます。
スミス、デヴィッド・ボウイ、ロッキー・ホラーショーなど懐かしい音も流れます。
青春を歌った映画は沢山ありますが、何かをきちんと届けようと作られたものは少ないように思えます。
配役と歌とお馬鹿加減で適当にヒットするからなのでしょうね。
この映画だって『ハリー・ポッター』のハーマイオニー役のエマ・ワトソン(最近ブログ書かせていただきました)、『少年は残酷な弓を射る』日本では『救急医ハンク』で病を持つ大富豪の息子役の方が判り易いかも?のエズラ・ミラーを観たい人も多いのでは?
二人がパーティで踊りまくるシーンやロッキーホラーショー(これも最近ブログ書かせてもらいました)のシーンは見物です。
でも、主演のナイーブな少年のローガン・ラーマンの役造りは見事です。
ポッと出のいないアメリカ映画界で5歳から映画の世界に入り『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』2作やポール・W・S・アンダーソン監督の『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』にも出演する期待の俳優です。
こんな感じの人、知っていますもん。

しょうもない男に引っかかるエマ・ワトソンを心配して信頼する教師に『なぜ優しい人たちが間違った相手を選ぶのか?』と問うと『自分に見合うと思うからだ』と答えられ、のちにエマ・ワトソンに『どうして私って何時も・・』と問われたときに答えるシーンもせつないです。

私にはこんな二人や尊敬できる先生との出会いはありませんでしたがあの頃の行き場の無さや切なさがよみがえるようでした。
この作品の甘酸っぱさとほろ苦さは胸を打ちました。


以下は内容に関わるので知りたくないかたは飛ばしてください。

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おびえる小動物のような演技が見事。

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1年生を和ませようと図工の教師の物まねを顔にペンでヒゲを書いての熱演

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その後に教師が現れ・・
しかし、この心意気を買います。

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語学の教師と親しくなりおすすめの本を題材に文章を書くレッスンが始まります。

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フットボ−ルの観戦で気になった上級生に声をかけ親しくなる。

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上級生の義妹に一目で好意を抱くがこのシーンで恋に落ちる。

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恋した瞬間の顔。

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兄妹出演のロッキーホラーショー定期公演。
なっ、懐かしい!
個人的に思い出深いです。

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ハーマイオニーちゃんとエズラ・ミラーのこんな姿が観れます。

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試験の点数の足りないエマ・ワトソンにいそいそと勉強を教えてあげます。

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クリスマスのプレゼントにファーストキスはあなたを愛している人でなきゃとキスしてもらいます。

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エズラ・ミラーのこの笑顔、良いですね。
2人を変にお洒落にしていないところがアイドル映画に終わらなくって良いです。

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お父さん、お母さん、お姉さん、そしてこのフットボール選手のお兄ちゃん、みんな気にかけてくれているいい家庭に育っています。

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パーティでトリップして悩みと向かい合いグルグルしているところ。
天使の羽根のようです。

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ロッキーホラーショーの定期公演で主役が来れなくなり急遽代役として舞台に引っ張り出される。

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『殿様、お戯れをぉ』

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クルクルクル

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お客さんの前にクルリンパ。

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シャイな感じが役にはまり大受け。

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舞台の上といえドキドキ。

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兄妹を中心としたグループで人気者になるがゲームの最中自分に好意を寄せる女の子の目の前でエマ・ワトソンにキスしてしまう。

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エズラ・ミラーは信頼していた男の子に裏切られた上、彼の保身のため衆目の中罵倒されリンチされる。

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気がつくとリンチしていたメンバーを殴り倒していて、周りのみんなが凍り付いている。

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自覚の無い暴力を振るったことに傷つくが、兄を助けてくれたとエマ・ワトソンと仲直りする。

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語学の先生に作家の素質があると言われ作家の為のレッスンを受けることにする。
ハグ出来る先生と出会えるなんて凄い幸運だと思います。

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二人は卒業してしまう。
そして寂しさから自分のトラウマに向き合ってしまい・・。

再びトンネルのシーンがありますが,これも良いシーンです。
もったいないのでご自分でご覧ください。

そして最後はドアをノックされ開くと

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『遊ぼ』
こんないたずらっぽい顔されたらどこにでも行きますよね。

おそらく伯母さんは男からひどい暴力を受けいていて、子供ながらにそれを知っていたのでしょう。
そんな大好きな伯母さんが・・。
彼が暴力と部分的に触られることに神経質な原因もそこにあります。
しかし、映画の限られた時間の中で原作はかなり削られている気がしました。
アメリカ文学の香がするこの映画の原作を読んでみたいと思います。
posted by エタラージュ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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